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3月1日。
それは、雪の降る寒い日だった。
三年間通った校舎とも、サヨナラの日。
そう、
今日は俺等の卒業式。
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『別れ』の朝は、至って普通だった。
変わってたのは、母親の服装や晴れ晴れとした表情。
校内の雰囲気。
玄関で父兄に『しおり』を配る下級生。
飾り立てられた教室。
制服の上着に付けられた造花と、
『卒業おめでとう』の文字。
担任の礼装。
挙げればキリがない程あるのに、当の本人等は何時もと変わらない。
だって、三年間通った学校と今日でサヨナラなんて、誰も思わねーじゃん?
だから俺は、友達とばか騒ぎしながら朝飯代わりのメロンパンを頬張っていた。
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