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「見て見て、文貴!また俺と一緒ジャン。A組だって、うっわ、またヨロシクなー」
「おー、ホント。つかまた、煩くなりそーだな」
玄関の窓に貼られた模造紙から、自分の名前を探す。
意外にも早く見付けれた、俺の名前とシュンの名前。
他にもクラスメートをチェックすれば、中々退屈しないと思われる。
「文貴センパイ!ちょっ、文貴センパイですよね?!」
澄んだ空気に不意に響いた懐かしい声。ざわつく声が一気に静まり、俺へと視線が向けられる。
いや、俺じゃねーから。
なんて言える雰囲気も無く、声のする方へ顔を向ければ…
すらりと伸びた長身に、薄い赤茶の髪色。キリッとした二重瞼にくりくりした瞳を細め、ニッコリ笑っている。
あァ、ゴールデンレトリバー…。
嫌々片手を挙げる。
嬉しそうに駆け寄ってきたワンコ…基、雨宮レン。
コイツは俺が中学の時の後輩。そんでダブルスのパートナーだった(よく凸と凹って言われてた…)。俺になついていたけど、まさか同じ高校とはなァ。
「文貴、誰?コイツ」
シュンが俺の肩に腕回し、値踏みするようにレンを見つめていた。
ワォ、険悪ムードだけは勘弁。
「同中の後輩、雨宮レンっつーの。あァ…コッチは同じクラスの朝倉シュン。」
レンはレンで今にも噛み付きそうだし…。ちょ、お二人さーん。楽しい雰囲気ゼロですよー。
「ちわッス。文貴センパイとダブルス組んでた雨宮レンです」
「…ッス、朝倉シュン。コイツとは仲良くさせてもらってマス」
おー…バチバチ火花飛んでる。
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