12歳‥

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『大丈夫だよ』 寒さを堪えながら、 山元 徹は京介に笑顔を向けた。 本当は、寒くて寒くて 仕方なかった。 歩くのもやっとで 足の感覚も ほとんど無い状態だった。 このあたりでは 滅多に雪は降らない。 徹が雪を目にしたのは、 もう5年も前だ。 今日で2度目の雪景色。 否、実際は3度目だ。 徹は1歳の時、 施設に引き取られた。 その日も今日と同じく 雪の舞う12月だった。 両親の事は知らない。 バス停の片隅の小さな小屋で 徹は置き去りにされていた。 たまたま通り掛かった人に 発見されなければ 命を落としていたかも知れない。 運がよかった? その時徹は 生きる事を宿命付けられた。
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