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『京兄ちゃん‥』
徹より2歳下、
今日も無理矢理付いてきた
金田 拓朗がしゃがみ込み
京介に力無く問うた。
『何処まで行くの?
もう疲れちゃったよ。
寒いし、頭も痛い。
歩けないよ。
ちょっと休もうよ。』
拓朗は駄々をこねる。
6歳の頃まで普通に両親と暮らし
多少、甘やかされて育った拓朗は、
少しの事ですぐ音をあげる。
拓朗の父親は大手銀行の
支店長だった。
頭もキレ、人望も厚かったが、
交通事故で他界した。
仕事帰り横断歩道を渡っている時
前から来た車に
轢き逃げされたのだ。
即死。
深夜だったため、
目撃者も現れず
犯人は未だ捕まっていない。
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