12歳‥

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『京兄ちゃん‥』 徹より2歳下、 今日も無理矢理付いてきた 金田 拓朗がしゃがみ込み 京介に力無く問うた。 『何処まで行くの? もう疲れちゃったよ。 寒いし、頭も痛い。 歩けないよ。 ちょっと休もうよ。』 拓朗は駄々をこねる。 6歳の頃まで普通に両親と暮らし 多少、甘やかされて育った拓朗は、 少しの事ですぐ音をあげる。 拓朗の父親は大手銀行の 支店長だった。 頭もキレ、人望も厚かったが、 交通事故で他界した。 仕事帰り横断歩道を渡っている時 前から来た車に 轢き逃げされたのだ。 即死。 深夜だったため、 目撃者も現れず 犯人は未だ捕まっていない。
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