8人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
そんな風に思案している私の耳に、テノールの声が優しく響く。
「ユキちゃん、煙草吸うんだね」
「今時女の子が煙草吸うの珍しくないでしょ?」
振り向くと柔らかい表情の男性の姿。
彼はコンビニの袋からパックジュースを取り出した。
それは桃色のピーチティー。
30歳に成り立ての男性とはミスマッチな気がして、私はクスリと笑みを漏らした。
「トオルさんが甘い飲み物って不思議な感じ」
「男は甘党多いよ。人前では恥ずかしいからって隠す人もいるからね」
そう答える貴方の笑顔が眩しかった。
.
最初のコメントを投稿しよう!