大好きなお姉ちゃん

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私が、小学三年生だった頃。いつものように学校が終わって家に荷物を置いて、お姉ちゃんの家に行った。 「お姉ちゃーんっ!!新菜(にいな)だよー!!」 勢いよくドアを開けると、奥から笑いながらお姉ちゃんが出てきた。 「今日も元気だね、新菜。おかえりなさい」 「うん、ただいまっ!!」 ニッコリ笑う私に、お姉ちゃんは微笑んでくれた。 私より十も上の詩名(しいな)お姉ちゃん。お姉ちゃんは身体が弱いから、殆ど家の中にいた。 「ねぇ、今日も猫たちに餌あげに行くんでしょ?私も行きたい!!」 「手伝ってくれるの?ありがとう。じゃあ早く行こうか」 「うんっ!!」 お姉ちゃんはいつも使う鞄に、キャットフードのカリカリと缶詰、ニボシを入れる。 近くの公園まで、その日あった学校での出来事を話しながら歩く。お姉ちゃんは学校に行っていたことが短くて、だから私の話が楽しいといつも言ってくれていた。
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