17の夏

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「でもさ、正直あたしには理解できないな。」 「……BL?」 「そう。だってやっぱ普通じゃないしさ、なんか気持ち悪くない?」 「……だよな。」 普通じゃない。 気持ち悪い。 そうだよな。 世間的に、やっぱあんまり理解されてないし。 俺だってその一人。 の、はずなのに。 なんか胸がもやもやして、すっきりしなくて、 そのあとはずっと上の空で、せっかくのカナとの初デートは終わった。 すっかり暗くなった帰り道、とりあえずこのわけわかんない気持ちを紛らわせたくて、雑誌でも買おうとコンビニに入った。 「新ちゃん!」 雑誌を見ていると、後ろから名前を呼ばれた。 見なくてもわかる、春人だ。 今、会いたくなかった。 そう思いながらも振り向くと、春人が嬉しそうな顔で近づいて来た。 「こんなとこで会えるなんて嬉しい!何やってんの?」 「…や、別に。もう帰るとこだし。」 なるべく話したくなかったので、そう言って持っていた雑誌を棚に戻しコンビニを出ると、春人もついてきた。 「待ってよー。 ねえ新ちゃん、俺の家近くだから来ない!?」 「……今日はもう疲れたし、家帰るわ。」 「えー…。ちょっとだけ!僕んちで休めばいいじゃん! あ、もしかして意識しちゃってるとかー?」 「……んなわけねえだろ。」 「もー、新ちゃんも素直じゃないなっ。 僕みたいに好きなら好きって…」 「うるせえな!ちげえっつってんだろ! ……だいたい、男同士で意識するとか好きとかおかしいだろ。 ……気持ちわりい。」 むしゃくしゃしていて、つい春人に八つ当たりしてしまった。
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