17の夏

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それからも、春人が俺のところに来ることはなくなった。 青山先輩と春人が一緒にいるところもよく見るようになった。 「……なあ、やっぱはるちゃんとなんかあったんだろ。」 「……別に。」 「うそつけ。お前明らかに辛そうな顔してるし。 ……はるちゃんはさ、いつだってお前に本気で向き合ってきただろ。 だったらお前だって本気で向き合えよ。」 「……。」 わかってる。 けど、今さらなにを? 幸せそうな春人見てたら、何も出来ずにいた。 その日の放課後はトモキと帰る約束をしていたが、忘れ物をして一度外に出たものの一人で引き返した。 自分のクラスに行く途中で、何気なく隣のクラスを見ると、夕日に照らされた春人が外を眺めていた。 「春人…っ。」 咄嗟に、名前を呼んでしまった。 春人は振り向くと、一瞬少し気まずそうな顔をした後、いつもの明るい笑顔を俺に向けた。 「…、新ちゃん!どうしたの?」 「…青山先輩待ってんの?」 「……っ、違う、よ。 やだなー、新ちゃん。 また気持ち悪いとか言いたいのー?」 笑いながら、明るい声で春人は言った。 「…違うよ。」 「…そっ、か。 ………僕、そろそろ帰ろっかな!新ちゃんも気をつけて帰ってね。 ばいばい!」 春人が俺のいる方と反対側のドアに向かって歩き出した。 「…っ、待てよ!」 俺は走って春人のところまで行き、腕を掴んだ。
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