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「…ふっ、う~。
遅いよー。やっ、と、新ちゃんが好きって…。」
どうやら春人は泣きだしてしまったようだ。
俺は振り向いて、春人を強く抱きしめた。
「…遅くて、ごめん。」
「…、うん。」
「鈍くてごめん。」
「…ん、」
「好きだよ、"はるちゃん"も、"春人"も。」
「…ふっ、ぅっ…。僕、も…。」
そのまま、お互い自然と顔が近づいて、ちゅ、と軽くキスをした。
―――――――――
「ほんとに青山先輩とはなんもないの?」
「ないよ。…まあ、告られはしたけど。」
「えっ!で、どうしたの?」
「考えさせてください、って。」
「なんですぐことわんねーんだよ!」
「だってその時傷心だったから心が揺れちゃったんだもん!」
「だもん、じゃねー!今すぐ断って来い!」
「断るけど!
でも心が揺れる原因をつくったのは!?
傷つけたのは誰!?」
「……私でございます。」
「わかってるならちゃんと一緒に青山先輩に謝ってよね!」
「…謝らせていただきます。」
「殴られるかもね。」
「……。」
…色んな意味で
春人を傷つけるようなことをするのはやめようと、心から思った
17の夏。
END
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