364人が本棚に入れています
本棚に追加
カタカタカタカタ…
「…。」
カタカタカタカタカタカタカタ…
「……。」
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
「あーーもうっ!!!
兄貴その貧乏ゆすりやめろよ!!!!」
「だって!!!!!
今日あの"はるちゃん"が帰ってくるんだぞ!?
落ち着いてられっか!!!」
「出たよ~兄貴の"はるちゃん"。」
「あ、はるちゃんがどんな子かおさらいしときたい!?
はるちゃんはね~色素薄くて~髪もふわふわで~目がおっきくて~」
「うぜー。限りなくうぜー。
ウザイ上にキモい。
弟として恥ずかしい。」
「……俺だって傷つくんだぞ。」
――――――――
昨日の夜。
「新、幼稚園の時よく遊んでたはるちゃん覚えてる?
来週日本に帰ってくるらしいわよ。」
母親からのその言葉に、俺は飲んでいたお茶を顔面にぶっかけてしまった。
熱いの飲んでなくてほんとよかった。
"はるちゃん"は、俺の初恋の人。
親同士が仲が良かったこともあって、はるちゃんとはいつも一緒にいた。
しかし、俺とはるちゃんが5歳の時。
はるちゃんはカナダに引越してしまった。
それから俺も色んな女と付き合ったりしてたけど、
やっぱはるちゃんは特別な存在で。
そんな子が帰って来るって。
しかも俺の学校って。
そりゃ貧乏ゆすりくらいしますわ。
お茶も顔面にかかりますわ。
昨日引越して来て、もう手続きはしてあるので今日から学校に通うらしい。
ちょっとでも早く学校に行きたいんだって。
だから今日、はるちゃんが俺の家に来て一緒に学校へ行くことになっている。
最初のコメントを投稿しよう!