17の夏

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カタカタカタカタ… 「…。」 カタカタカタカタカタカタカタ… 「……。」 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ 「あーーもうっ!!! 兄貴その貧乏ゆすりやめろよ!!!!」 「だって!!!!! 今日あの"はるちゃん"が帰ってくるんだぞ!? 落ち着いてられっか!!!」 「出たよ~兄貴の"はるちゃん"。」 「あ、はるちゃんがどんな子かおさらいしときたい!? はるちゃんはね~色素薄くて~髪もふわふわで~目がおっきくて~」 「うぜー。限りなくうぜー。 ウザイ上にキモい。 弟として恥ずかしい。」 「……俺だって傷つくんだぞ。」 ―――――――― 昨日の夜。 「新、幼稚園の時よく遊んでたはるちゃん覚えてる? 来週日本に帰ってくるらしいわよ。」 母親からのその言葉に、俺は飲んでいたお茶を顔面にぶっかけてしまった。 熱いの飲んでなくてほんとよかった。 "はるちゃん"は、俺の初恋の人。 親同士が仲が良かったこともあって、はるちゃんとはいつも一緒にいた。 しかし、俺とはるちゃんが5歳の時。 はるちゃんはカナダに引越してしまった。 それから俺も色んな女と付き合ったりしてたけど、 やっぱはるちゃんは特別な存在で。 そんな子が帰って来るって。 しかも俺の学校って。 そりゃ貧乏ゆすりくらいしますわ。 お茶も顔面にかかりますわ。 昨日引越して来て、もう手続きはしてあるので今日から学校に通うらしい。 ちょっとでも早く学校に行きたいんだって。 だから今日、はるちゃんが俺の家に来て一緒に学校へ行くことになっている。
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