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喫茶店から出ると綺麗な女性が店の前の道路を行ったり来たりしている。
どこかで見た覚えがあるような人だ。
「真くん。校長先生が居ますよ」
乙葉はその女性を見てそう言った。
「校長!?本当だ……」
よく見てみると今朝学校で挨拶をしていた若い校長だ。
だが朝のような凛々しさは無く恋する乙女のような表情を浮かべている。
「校長先生こんな所でどうしたんでしょう?天草さんの喫茶店の方をチラチラ見てますけど、ご用事でもあるんですかね?」
「あぁ。何で店に入ろうとしないんだ?」
そう言った瞬間校長と目が合ってしまった。
そのとたんに校長に、朝のような凛々しい表情が戻っていた。
校長は俺達の方にゆっくりと歩きだした。
「この状況なんかヤバくないか?」
「でも私も真くんも何も悪い事していませんよ」
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