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◇
「あのさ」
「うん」
チアキは邦楽のロックバンドのスコア(楽譜)を出してパラパラと見たりして、空いた片手でトントンとリズムを取ったりしている。
ドラムでもやってんのかな?
「永久ってどんなヤツ?」
永久という言葉を出した瞬間、チアキの肩がピクリと動いた。
気のせいか?
さっきの反応といい、コイツ、永久の事を怖がってる……?
「悪魔……」
呟くような声。
「アイツは……悪魔だ」
チアキは頭を下げ、白い指で赤い唇を押さえ、震えていた。
病的な印象を植え付ける雪のように白い肌に柔らかなウェーブを描く脱色された茶色のミディアムショートの髪。
あれ、誰かに似てる……?
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