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「帰ってくる前にさっさとやろうぜ。」
一人の男のその言葉で両手を他の二人に押さえつけられる。
ビリヤード場には他にも人がいるのに誰も助けてくれず、ニヤニヤこちらを見てる。
「やだぁっ!気持ちわるいっ」
一人の男があたしの上に覆い被さり、首もとを舐める。
服は捲りあげ、胸を触ってくる。
見知らぬ男の吐息が気持ち悪い。
もう耐えるしかないんだと思って目を閉じ歯をくいしばってた瞬間。
「あ、お帰りない!は、はやいっすね!!」
あたしに馬乗りになってる男が言った。
「…俺がそういうの嫌いなの知ってんだろ?俺に見えないとこ行けよ。」
「だってよ、はやく退いたほうが身のためだぜ。」
声の主はあたしの位置からは見えないけど、また数人男の人が入ってきたっぽい。
「あ、はい!」
「おいっ女!立てや!」
無理やり腕を引っ張られ立たされる。
「痛…いっ!」
悲痛な声をあげながら、さっきの声のしたほうを見る。
…お兄ちゃん…!
お兄ちゃんと目が合った。
けどすぐ目を反らされた。
「こっち来い!」って言われて奥に引っ張られる。
「待てよ。」
あたしと三人が振り向くと、お兄ちゃんが面倒くさい顔をしてこっちを見ている。
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