開花

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ドキッ 何を言われた訳ではないのに緊張する…。 「おばあちゃんの部屋に行きましょう。おばあちゃんが呼んでるの、あなたの事」 「…おばあちゃんが?」 お母さんは曇り顔のままだった。 最近、おばあちゃんは意識が混濁している事が多くて、毎日看病しているお母さんのことも判らなくなっていたから、もちろん私のことも忘れていたのに…。 「おばあちゃん、元に戻ったの?」 「…そうね。戻ったと言えなくもないけど…」 お母さんは複雑そうな顔した。 「とにかく急いで来て」 おばあちゃんの部屋に行くと、お父さんもいた。本当ならまだ会社にいる時間なのに 「お父さん、会社は?」 「おばあちゃんが呼んでるっていうから、ちょっと会社を抜けてきたんだよ」 お父さんも呼んで…。 おばあちゃん、死んじゃうのかな?胸がズキっと痛んだ。
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