第二章-そいつは突然やってきた-

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「っおおおおお!!」 ヨシュアの琥珀の瞳が大きく見開かれる。鋭い視線が相手を威圧する<魔眼>がライノサイダーの動きを鈍らせた。 唐突にヨシュアの姿が消えたかと思うとダメージを負った一頭の死角に現れる。<朧>だ。 「せいっ!はっ!」 [グオオォォ!!] ライノサイダーは瀕死の状態だ。 そこへさっきと同じように別の一頭が突っ込んでくる。 「ヨシュア!」 声に反応したヨシュアはサイドステップでかわす。 「エステル!」 「もらい!」 強烈な冷気が生み出した氷塊が敵を襲う<ダイヤモンドダスト>が二体のライノサイダーを直撃し、一体は倒れた。 だが、ヨシュアとエステルはもう一体の存在を失念していた。 その一体がアーツの技後硬直で動けないエステルを狙う。 ヨシュアは気付いたがこの距離では間に合わない。 「エステル!!」 その時だった。 一つの影がエステルを抱えライノサイダーの攻撃を避けた。 「えっ!?」 ヨシュアは驚きの声を漏らした。 影は長い武器らしきものをエステルを襲った一体に向かって投げた。 投げられたそれは回転しながら飛んでいき、ライノサイダーの目に突き刺さる。 「そちらの一体、来ます!!」 叫ばれてヨシュアはハッと我に帰った。 再び<朧>を放つ。 今度は的確に入り一撃で仕留められた。 エステルを助けた人物はアーツの詠唱をしている。 「ブルーアセンション!」 エステルのアーツより数段上のものが最後の一体を倒した。
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