第三章-ツァイスにて-

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「とーちゃーく」 「ツァイスに来るのもけっこう久しぶりだね」 先の戦闘以来とくに何事もなく、二人は無事にツァイスに到着していた。 二人は大きくそびえ建つ中央工房を見上げた。 「………。リベールって感じね」 「うん、ここまで導力器が発達している国はほとんど見ないね」 街を見回せば必ずと言っていいほど目に入ってくる導力器。 ティータの祖父にして「導力器の父」とまで称されるアルバート・ラッセル博士によってリベール王国には早くから導力器がもたらされ、その技術開発に努めた結果、めざましい発展を遂げた。 北をエレボニア、東をカルバードという二大国に囲まれた小国リベールが他国と対等な立場にあるのもひとえにその導力器技術とアリシア王女の政治手腕の賜物である。 「さて…まずはどこへ行こうか?」 ヨシュアがエステルに尋ねた。 「そうね…やっぱりティータとレンに会いたいかな」 「それじゃあまずはラッセル博士の家だね」 「うん、行こっか」 二人はラッセル宅に足を向けた。
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