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自分を直視したまま一時停止してしまった少女に、スカルが声を掛ける。
「ん?どうなされまし」
た。と言い終わる前に、少女の凍結状態は解けた。
「あーーーーー!!」
……と同時に少女は大声をあげ、その迫力に思わずスカルは肩をビクつかせた。
スカルだけではなく、その隣にいるカーンも、野菜炒めを頬張るフェーンも。とにかく皆が驚きの表情を浮かべていた。
この状況を作り出した張本人である少女は、ビシッとスカルを指差してその赤い瞳を睨みつける。
「あんたは……」
少女はスカルを指差したまま眉じりをキッと吊り上げ、唇をワナワナと震わせて言い放った。
「あんた、連続食い逃げ犯のチャルナッカね!!」
「はぁ!?」
内心で一体何を言い出すんだと思いながら、当たり障り無いようにスカルは対応する。
「チャルナッカ?いやあの、誰ですかそれは」
とぼけんな!と罵声が飛ぶ。
それは些か女性の言葉遣いとは思えなかった。
「ハイマーンの高級料理店を食い荒らし、揚句の果てに宿屋の者だなんて嘘ついて……このふとどき者が!」
「あぁ?食い逃げ犯って……そんな訳無いだろ!」
「問答無用!」
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