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少女はスカルの右手首をその白い手で思いっきり掴む。
「さぁ私と共に来い。警察に突き出してやる!」
「いでででっ」
濡れ衣を着せられた上に手首を思いっきり掴まれ、スカルは思わずキレてしまった。
「っざけんなこのアマ!食い逃げなんかするかってんだ。何で俺が警察に突き出されなきゃなんないんだよ!」
「うるさいな!ちょっと髪形変えたからって、そんな言い訳通用すると思ってんの!?」
しかし少女は怯えず、それどころか更に目を吊り上げた。
「言い訳って……俺は最初っから無実だっつーの!何もしてねぇよっ!」
スカルも負けじと喰いつき青筋を浮かべる。
「フッ、甘いね。罪を逃れたい人はみんなそう言うのよ。
私も何で気付かなかったかな……まぁいいや。
さぁ来るんだ食い逃げ犯!!」
「だから違うって言ってんだろー!!」
予想外の強い力で引きずられて、スカルは叫びながら連れ出されてしまった。
「えっとー……おばさん、大丈夫かなアイツ」
「まぁ、死にゃあしないだろうけど……」
置いてけぼりにされたフェーンとカーンの傍らで、野菜炒めが冷めていた。
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