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「……ニャー」
「あははっ、シロはおとなしいねぇ」
――で、それから数時間と経たない内に、僕は見知らぬ幼女と入浴中なのだった。……よし、今羨ましいとか思ったお前等は、ロリコン確定で。
――閑話休題。
何だってこんな事になっているかと言えば、理由は簡単。
悠々と過ごすも、時間の経過と共に空腹に襲われる→食料を確保しようとするも、猫らしい生き方を知らない僕には無理→空腹に倒れる→通りすがりの幼女が叫ぶ。「おかあさ~ん、猫ちゃんが死んでる~!」→そのまま拾われ、『広瀬』という表札の家に突入→ミルクを頂き、身体を洗ってらっしゃいと言われ、やる気満々の幼女(小学校1年生くらい)に連れられ風呂場へ→今に至る。
ちなみに幼女は浴槽、僕はお湯を張った洗面器の中だ。
ミルクでお腹が膨らんだり、洗面器に収まる大きさだったり、僕はまだ子猫らしい。生後半年~一才くらいかな?
「シロ~、シロ~、シロの身体は真っ白~♪」
謎のリズムでオリジナルの歌を口ずさむ幼女を見ていると、ふと、一つの衝動が。……いや、いかがわしいものじゃないよ?
「……ニャッ」
密かに、洗面器の中で四肢を縮める。
……幼女を見ていて、全身を過ぎる衝動。
――困らせたい
猫は気ままに振る舞い人を困らせる。
何でそんな事をと人間時代は思ったものだが、分かった。今はっきり、わかった。
猫は本能的に、人間を困らせたくなるに違いない。そう、衝動的に。
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