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光夜は自分の腰を誰かに触れられた瞬間、空を切り裂くような大声で盛大に叫んだ。しかし、それと同時に、大きく開けた口には何やら温かいものが侵入してくるのであった。
「っん?!っんんん!!」
侵入してきた舌は、とても柔らかく、優しいものだった。それは光夜の意思とは関係なしにゆっくりと動き回る。歯列をなぞられ、喉の奥まで蹂躙されるその感覚に、光夜は敏感に反応する。
すると突然、家の外から大きな声が聞こえてきた。
『おい!殺し屋出て来い!お前がここら辺に隠れてんのは分かってんだぞ!貴様を返り討ちにして殺してやる!!』
その言葉に光夜を抱きしめている男はピクリと反応したようだった。
そうしてしばらくすると、その声は遠退いていったのだった。
「お兄さん…殺し屋なの…?」
キスから開放はされたが、未だに見ず知らずの男の腕に収まっているという、みっともない格好のまま、光夜は先程外から聞こえてきた声を思い出していた。
「どうでしょうね?」
明らかな事なのに、それでもその男は白を切る。
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