僕がお母さん

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「ほら、みてみ。かわいいお化けさんやろ?」 僕は雄介を手招きして呼び寄せた。 しかし、雄介の反応は少し意外だった。 「げっ、猫やん。俺猫苦手やねん」 「嘘やん!こんなかわいいのに…」 雄介によると、小さい頃に親戚の家の猫に手を噛まれて以来猫に触る事が出来なくなったらしい。 「へ~雄介君にも苦手なものがあったんや~」 僕はがき大将の雄介が普段見せない弱い部分を見せたのが少し嬉しくてなんか楽しくなった。 その様子を首を傾げながら子猫が見ていた。どうやらもう食事は済んだ様だ。 「よ~し、おいしかったか。」 僕がニコニコしながらなでなでしていると、 「ところで名前は決めたんか?」 と、雄介が素晴らしい質問をしてきた。 「えっ、名前?…う~ん…雄介くんがお化けと間違えたし、黄色のしましまやからキタロウにするわ」僕は、軽く皮肉をこめて笑顔で答えた。 「え~っ、浩樹もお化けやと思ったやろ?…まあ、ええんとちゃうか、その名前」 「じゃ、決まり~。お前は今日からキタロウや!よろしくな、キタロウ。」 僕はキタロウの眉間を指でくすぐりながらキタロウに話しかけた。 キタロウはくすぐったかったのか、その指を前足で払いのけた。 「おっ、こいつめ~」 僕は指を上下に動かした。すると、キタロウはその指に飛び付きじゃれてきた。 キタロウのそんな姿に癒されていると 「なあ、そろそろ帰ろうや」 と、雄介がいつも自慢してくるデジタル時計を見ながら言った。 「うん、そうやな…」 僕は少し名残惜しかったが、家に帰る事にした。 「じゃあね、また明日来るから」 「ミャー」 僕は明日また会える事にワクワクしながら家に帰った。
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