堕威5号(加奈子の場合)

2/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
私は少しの間、寝ていたみたいだ。 目を開けると光が眩しかった… 「おや、また一緒ですな」 いきなり後ろのオジサンから声をかけられた。 「は、はぁ…」 私は曖昧な返事を返す。オジサンは続けた。 「昨日は私が前でしたから…」 (昨日?一緒?前?) オジサンの喋った事が全く理解出来なかった… (ていうか…私昨日から前の事全然記憶ない!) 記憶喪失というやつである。 (記憶喪失って本当になるんだぁ!変な感じ!) 少々興奮している。 (えーっと、名前は覚えてる!加奈子!ここはどこだか分かんない…今何してるのかも、前何してたのかも…) 私の異変に気付いてかオジサンは心配してくれた。 「大丈夫かえ?まだこの仕事は始めたばかりじゃろ。無理しなさんな。」 「仕事?」 私はワケも分からずただポカーンとした。 とりあえず冷静になって周りを見ると私とオジサン以外にも何人か立っていた。 若い人もいれば中年の人もいて、女性もいれば男性もいる。 (この仕事って何なんだ…?)
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!