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その子はどうやら僕と同い年らしく、学校も僕と同じところへ通うらしい。
今週の日曜日にはウチにくる。
結局シキは不満な気持ちのまま、日曜日を迎えた。
その日は朝早くから、圭介はその子を迎えに行き。
詩織はその子の部屋となるシキの隣の部屋を掃除している。
シキは何をすればいいのか分からず、取り合えず詩織の掃除を手伝った。
掃除が終わって一息ついていると、圭介が帰ってきた。
先ほどまでののんびりとしていた空気が急にぴんと張り詰めた感じになった。
「ただいま、この子が預かることになったウタちゃんだ仲良くすんだよ」
まさか女の子だとは思っていなかった。
真っ白な肌に色素の薄い長めの髪、大きな瞳はなんだか脅えているようだった。
何も言わず頭を下げる。
声が出ないんだったとそこで改めて思い出した。
「よろしくねウタちゃん」
嬉しそうに笑いながらウタの手をとる詩織。
すると、先ほどまでの緊張が解けたのか少し安心したような顔をするウタ。
そして、僕と母さんと父さんと、ウタとの生活が始まった。
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