少女との時間

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妙に大人びていて、話しをかけてくる男子は翔ぐらいだ。 もちろん女子とは全く話さず、隣の席の女子と目を合わすことすらしない。 「なんかお前3年になったころから変わったよな」 小学校2年生の頃のシキは、やんちゃで暴力は使わなかったが東堂みたいな子供だった。 どうしてこうなってしまったのだろう、自分で思い出そうとしても思い出せない。 「そういえば東堂のやつ河本が転向してきた日に、なんで喋れないんだってしつこく聞いたらしいぜ。それで多分河本来ないんだよ」 一緒に住んでいるシキよりも翔のほうがウタのことをよく知っていた。 「そうだったんだ」 シキは改めて自分がウタのことを何も知らないことに気が付いた。
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