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翔からの誘いも断り、真っ直ぐ家に帰るシキ。
これから暫く一緒に住むのに、こんなんじゃ駄目だとは分かっている。
でもウタが来たことによって、詩織と圭介の意識が殆んどウタに向けられている。それが面白くないのだ。
「ただいま」
いつもなら詩織がお帰りなさいと笑顔で出迎えてくれるが、今日は来る気配が無い。
鞄も置かずにリビングへ向かう。
リビングのドアを開けると甘ったるい匂いがした。
詩織とウタが二人でお菓子を作っているのだ。
「あら、シキお帰りなさい」
詩織はやっとシキに気がつき、いつもの言葉を言うがシキは依然として不機嫌なままだった。
鞄を椅子に置き、ソファに勢いよく座る。
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