白い本

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詩織とウタに見送られて家を出るシキと圭介。 圭介と二人だけの時間は今しかない、思い切って聞こうと決意した。 「ねえ父さん、ウタのことなんだけど」 「どうした?ウタちゃんと喧嘩でもしたのか」 「ううん、ウタのおじさんとおばさんって今なにしてるのかなって思って」 父さんの表情が強張る。 「仕事が忙しいらしくてね、たまに電話は来るんだよ」 さっきの強張った表情とは裏腹に笑顔で言った。 圭介が嘘をつくとき、笑うことをシキは知っていた。 「嘘吐き」と言えるわけもなく、喉の奥に言葉だけが詰まっていく。 何も言えないまま圭介と別れて学校に向かった。
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