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挨拶している二人を通りすぎて、二階の自分の部屋へ向かう。
シキに気付いた翔も階段を登る。
「後でジュースとお菓子持って行くわね」
階段の下からのシオリ声に、うんとだけ答えて部屋の戸を閉めた。
「シキの小母さん綺麗だよな、うちの母ちゃんよりずっと若いし」
「そんなことないよ」
翔にコントローラーを渡してゲームの電源を入れる。
詩織は十九歳の時に五歳年上の圭介と結婚し、二十歳の時にシキを産んだ。
確かに同い歳の友達の母親よりも若い。
詩織の話しをしていると、ゲームの音と重なってノック音が鳴った。
「はい、ジュースとお菓子」
「ありがとうございます」
お菓子を持ってきてくれた詩織に翔は軽く頭を下げる。
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