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汐崎を振り返り、俺の聞き間違いを祈りながら聞いてみる。
「今、何て言った?」
「だから、この子の世話は君がみるの。何か文句ある?」
…どうやら聞き間違いじゃなかったみたいだ。
「ちょっと待て!俺は殺し屋だぞ!?子猫なんかみれない。それに仕事が…」
言い募る俺に、奴は嫌になるぐらいの笑顔で言い切った。
「君がみるんだよ。君が拾ったんだから、最後まで君が面倒みなきゃ。仕事の事は心配しなくていいよ。世話についても、僕がちゃんと教えるし、バックアップもしよう。さぁ、まだ何か文句が?」
「いや、あの…………ハア~、分かったよ。やるよ」
これは言っても聞かないだろうな、と俺は諦めてそう言ってしまった。
これが、俺とあいつとの出会いだった。
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