始章 ネコのちキミ

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 まぁ、普通はそうだよな。見知らぬ男がいる家の風呂になんか入りたくなんかないよな、やっぱり女の子だし。  ……でもなぁ。  改めて彼女の格好を確認する。下から上までずぶ濡れで、タオルの施しなど所詮気休めにしかなっていない。  別に彼女が風邪を引くとか、そんなことを心配してるんじゃなくて、このまま家に上がられたら床が濡れまくって後で掃除するのは僕だからな。 「その……絶対に覗いたりしないし、もし洗濯物が僕のと一緒じゃ嫌なら僕のは出しといていいから」  なんだそりゃ、と心の中で自分に突っ込む。なんか、逆に怪しまれそうじゃないか。 「い、いえ、そう言うわけでなくて……」  首を横に振り、彼女はチラリとネコを見る。僕もそれにつられるようにしてネコを見た。  さっきよりも大分綺麗になっているが、まだ腕からの出血は止まっていない。早い回数で胸を上下させるネコを心配そうに見つめる彼女を見て、あぁそっか、と勝手に納得した。 「大丈夫。役不足ながらも僕がネコは処置しとくから」  まぁ保健の教科書でも見ながらすれば、なんとか……なるかな。不安だけど。
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