エピローグ

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「……この後ろ姿、『クロノトリガー』のラスボスみたい」  美晴はある一点を見つめ、ひとり呟いた。  夢中でご飯を食べる美憂の丸い背中。黒い毛があたかもウニのように見える……。 「デブにゃん」  ニヤニヤ顔の美月が引き戸の隙間からボソッと言った。景が後から「ほあ~」と鳴く。 「う……うるさいよっ! 美憂部屋にお宅の坊っちゃん放り込むよ!」  妹はアパートを引き払い、故郷に戻ってきた。  が。美憂と相性の悪い、坊っちゃんこと景も一緒に戻ってきたため、部屋を別にしないと……。 「あ~っっっ!!」  二人が悲鳴を上げたのと同時に、隙間を抜けた美憂が景にケンカをふっかけた。流血こそないが、取っ組み合いは激しい。  しかし、実はじゃれあっているだけだと二人が知るのは、数日後のことだった。
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