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美晴は電話を片手に、相手の女性に向かい、謝罪の言葉とともに、何度も何度も頭を下げた。
ヤバい。部屋の弁償額が、相手への弁償額が、壁も修理か? 家はそんな大金ないし、いったいいくらぐらいお金かかるのかな? 想像つかないや……。そんな考えばかりが、美晴の脳裏をグルグルグルグル廻る。
『……あのぉ~、私の方は大丈夫なんで、妹さんを落ち着かせてあげてください。かなりパニクってるみたいなんで……』
「あ、あぁ、気ぃ遣わせちゃって……本当にすみません……」
女性の慌てた様子のない、ゆったりとした口調に、美晴は我に帰る。
『妹さんに代わりますね~』
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