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「そうそう、それでいいのよ。 お前さんが静かにしていりゃあ何も問題はありゃしねぇ」
「おねえたま……。 ごめんなちゃい」
ポロポロと涙を流すグリを見てから、ルリは言った。
「グリを狙ってるって言うなら、アンタらも手荒に扱えない。 そうだろう?」
「かっかっか! まあ確かにそうなんだけどよ、お前さんが近づいてくるとビックリしちまって、俺っち何をしちまうか分からねぇんだよなぁ」
「ちっ……」
悔しそうな表情でルリは初老を睨む。
そして、そんなルリを警戒しながら灰色は初老の方へと歩いて行った。
「福磨呂さん、後の事は奴らに任せて行きましょう」
「ああ。 んじゃあな、べっぴんさん」
背を向けて走って逃げる二匹。
グリの叫び声がどんどんと遠くなっていく。
「待ちやが……」
「待つのは貴様だ!」
謎の声と共にルリの前に五つの影が現れた。
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