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縄張りに入ってきた猫を伸す日々。
そんなある日、ボコボコにした三匹の猫の影に弱った子猫を見つける。
それがグリであった。
最初は警戒して食事もとらなかったが、何度も接していく内に心を開き、餓死という最悪の事態は免れた。
そして数日後、すっかり元気になったグリをルリは送り届けた。
保護者代わりのヒマラヤンに受け渡し、感謝の言葉を受けながら帰る。
しかしグリはそれ以来ルリに懐き、毎日会いに来るようになった。
(そういえば……)
グリを毎日送り届けるようになってから、ヒマラヤンが自分に対して好意的では無くなってきた気がする。
口には出していなかったが、雰囲気と顔でそれが分かった。
「皇左衛門、グリ誘拐の首謀者はどんなヤツだった?」
「えっと……、グリ嬢に心酔してる感じでした。 オス猫で種類は確か…………ヒラヤマ……だっけか……?」
「ヒマラヤン?」
「そう、それ!」
これで全貌が見えた。
あの保護者代わりのヒマラヤンはグリに惚れている。
そして、グリに慕われている自分に嫉妬の念を抱いている。
連れ戻して何をするのか…………、恐らく閉じ込める等をして行動を制限するだろう。
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