最終話・かつての記憶は死の匂い

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「……流石だな、ルリ」 「……」 「手負いだったとはいえ、ランペルティザーを破った事、賞賛に値する。だがまだまだ……。 」 「あのさ、さっきから馴れ馴れしくルリって呼んでるけどさ、あんた誰よ?」 ルリの言葉に蒼鉄は呆然とした様子で、呟いた。 「……嘘だろ?」 「嘘じゃねぇよ」 「……小生はお前の兄だ」 「は?」 あまりに衝撃的な告白に今度はルリが呆然とした。 蒼鉄はよろよろと立ち上がり続ける。 「別の言い方をすれば、兄貴とかあんちゃんとか、萌えブームに便乗すればお兄様とか……」 「つかお前、最終話で何言っちゃってるの?」 「この程度の運命のイタズラ、てっきりお前も読者も予想済みだと思っていたが……」 「全然予想してねーよ、ビックリだよ。 ていうか、河原でお前と一緒にいた初老はどこ行ったんだよ」 「福磨呂は代議士の飼い猫だ……。 恐らく今頃、万札で巻いたタバコを吸っている飼い主の膝の上で丸くなっているだろう……」 「成金ってレベルじゃねーぞ」
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