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長太郎はカウンターに近い席に座った。
あの人はどうやら“宍戸”さんというらしい。
エプロンにネームプレートが付いていたのだ。
コーヒーを1口飲んでブルーベリータルトを口に運ぶ。
「!…美味しい!」
美味しさのあまり言葉が出てしまった。
「ありがとうございます。」
宍戸さんは笑った。
その笑顔は強気そうな印象を変える程穏やかなものだった。
「いえ、でも本当に美味しいです。」
「そう言って貰えると作ったかいがあります。」
「えっ!これ手作りなんですか?」
「はい。私パティシエなんですよ。」
「凄いですね!」
「いえいえ。」
そこで話は区切れた。
長太郎は完食すると、トレイを宍戸に返した。
「ごちそうさまでした、とても美味しかったです。」
「また来てくださいね。」
「はいっ!」
返事をして、長太郎は帰った。
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