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放課後、長太郎はとある店の前に来ていた。
あの人が入っていった店だ。
その店の雰囲気から、まだ出来て新しいと思われる。
フルールという名前のその店の前に立つ。
長太郎はいつも外から眺めるだけで入ったことはなかったのだ。
カランカラン
「いらっしゃいませ」
ドアを開けるとすぐに綺麗なアルトの声が聞こえてきた。
あの人だ。
長太郎以外の客はいないようで、その人はレジの奥に座っていた。
「ご注文はお決まりですか?」
「えっと…」
「お決まりでないなら、こちらがオススメです。暑い日にぴったりなんですよ。」
手で指し示されたそれは、コーヒーに凍らせたミルクを入れたものだった。
「じゃあそれを1つ。」
「あとご注文はございませんか?」
「あっブルーベリータルトもお願いします。」
「はい。こちらで少々お待ちください。」
彼女はそう言ってコーヒーを煎れ始めた。
コーヒーをトレイに乗せて、ショーケースからブルーベリータルトを出した。
それをこちらに持ってくる。
「お待たせいたしました。750円になります。」
「はい。」
「ちょうどですね。レシートのお返しです。お好きな席へどうぞ。」
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