第1章

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「今日来た旅人から聞いた話しなんだけどね、この頃奇妙なことがそこらへんで起きてるんだって」 「奇妙なこと?」 「そう、なんでも魔法石がいきなり光ったかとおもったらそこからなくなってるんだって」     「魔法石…」     魔法石とは、この世界でも珍しい物で特定の種族の魂の結晶だ。この石には魔力が宿っており、魔法使いなら喉から手がでるほど欲しい物である。 「そお、魔法石。盗まれることは多いけど今回は少ししたらまた戻ってきてるんだって」 「えっ、なんで」 魔法石は盗まれることが多い。なぜなら魔法使いに高く売れるからである。 昔は獣人狩りが直接捕って来て売っていたが、魔法石になる種族は数が少なくそしてとても強い。危険をおかしてまで直接捕りにいく者はもうほぼいない。 「さぁそれはわかんないけど、ただなくなる魔法石の色は銀か金なんだって」 「それって!猫人族の魔法石!」 「うん、そしてその奇妙な事があった所の近くではいつも、銀髪の女が目撃されてるって…」 「…その銀髪の女って」 『猫人族の生き残り』 「ローズ、あなたの所にも来るかもしれない。『あの』魔法石を捕りに」 ローズはただ自分が持っている金と銀の魔法石を見つめるしかなかった。
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