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『遅いっ!!!』
今年の夏は異常だ。暑いなんてもんじゃない。
熱いよね、もう。
そんな熱い夏の日に家から走ってきた俺はTシャツが絞れるくらい汗だくだ。いや寝坊したのが悪いんだけど。
『す、すいません…ハァ、ハァ…以後気をつけます。』
息も絶え絶えに謝ってみるが、楓(カエデ)の機嫌は直りそうにない。
『映画行こうって誘ってきたの悠(ユウ)の方なのに…あぁ~ダメだ。こりゃアイスでも食べなきゃやってらんない。』
わかりましたよ。買ってくればいいんでしょ。
俺が買いに行こうと歩き出すとコロっと態度を変えて、腕を絡ませてきた。全く、現金な奴だよ。
『チョコがいいなー。」
甘い物が好きで、デートの時も自分から腕組んできたりと積極的。怒る時は怒るし、悲しい時は泣く。
素直な可愛い彼女。
でもそんな楓も素直じゃない時がある。
俺だけが知ってるんだ。
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