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映画は楓のリクエストで恋愛物。
俺は全く興味なし。
欠伸をかみ殺しながら隣を見れば、真剣な顔してスクリーンに釘付けな楓。
うわ…泣く気満々でハンカチ握りしめてるよ…。
『なぁ、これ泣けるか?』
ありきたりな内容でどうせどっちかが死ぬんだろう。
『黙っててよ!いいとこなんだから!!』
小声で一喝された。しかもすっげー睨まれた。
今日怒られてばっかり。
大きな溜息をつきながら椅子に深く座り込む。
映画館の中は平日とゆう事もあってガラガラ。俺たちが座っているのは後ろの方で、周りには客はいない。
……な~んか映画館って暗いし…ちょっとイイかも?
よからぬ事が頭に浮かんだ俺の顔はさぞかしニヤけていただろう。
暗くてよかった…。
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