おじいさん

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ある春の日。おじいさんと仔猫は散歩に出掛けました。その日はちょうど一年前、おじいさんと仔猫が出会った日です。仔猫はもう仔猫とは呼べないくらい大きく育っていました。 「おはようございます。おじいさん。」 となりの娘さんが玄関から出るおじいさんに挨拶をします。 「ああ、おはよう。今日はとてもいい日じゃの。」 空を仰ぎにっこりと笑うおじいさん。一年前のおじいさんとは別人のような顔でした。 にゃー 仔猫は娘さんに一声挨拶をすると、てくてくと先に河原へ向かってしまいます。いつからか、仔猫は一人で河原まで歩けるようになっていました。 「おおっと。ははは、最近はあいつの方が早くてな。うかうかしとれんわい。それじゃあの。」 「はい、お気をつけて。」 待っとくれ、と早足で仔猫を追いかけるおじいさんを、娘さんは微笑みながら見送りました。
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