第2罠

2/5
52人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
気付けば体育館前には無数の人だかりが出来ていた。 体育館は少し校舎から外れていて、どの階の教室からも体育館の建物は見える。そのため、生徒しかいない教室から野次馬が次から次へと集まって来たのだ。 「誰がやったの!?」 「犯人は外部の者か…?」 「この学校狙われてるんじゃ!!」 「いやー!!」 野次馬たちは口々にそう漏らしていた。 そんな時だった。 「何だこの矢印?」 野次馬の一人、2年7組の田宮翔は体育館前の脇の壁に黒いペンのような物で書かれた“矢印マーク”を発見した。 「あ、あっちにもある!!」 次にそう言ったのは須田孝二だった。 孝二が言うように矢印は一つだけではなく、無数に存在していた。 そして、矢印は矢印へと続いている事がわかった。 ここから見える、突き当たりの壁にも矢印はあった。 「まさか、犯人がつけたんじゃ!!」 「有り得る!!」 山田雅樹と井上亮介は、孝二と共にその矢印を追って走り出した。 「犯人が…この先に!?」 クラスメイトたちを殺された諏訪部真彦・阿部龍太・中村洋も、孝二たち同様に走り出した。 そして蟻の如く、他の人々も続いた。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!