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気付けば体育館前には無数の人だかりが出来ていた。
体育館は少し校舎から外れていて、どの階の教室からも体育館の建物は見える。そのため、生徒しかいない教室から野次馬が次から次へと集まって来たのだ。
「誰がやったの!?」
「犯人は外部の者か…?」
「この学校狙われてるんじゃ!!」
「いやー!!」
野次馬たちは口々にそう漏らしていた。
そんな時だった。
「何だこの矢印?」
野次馬の一人、2年7組の田宮翔は体育館前の脇の壁に黒いペンのような物で書かれた“矢印マーク”を発見した。
「あ、あっちにもある!!」
次にそう言ったのは須田孝二だった。
孝二が言うように矢印は一つだけではなく、無数に存在していた。
そして、矢印は矢印へと続いている事がわかった。
ここから見える、突き当たりの壁にも矢印はあった。
「まさか、犯人がつけたんじゃ!!」
「有り得る!!」
山田雅樹と井上亮介は、孝二と共にその矢印を追って走り出した。
「犯人が…この先に!?」
クラスメイトたちを殺された諏訪部真彦・阿部龍太・中村洋も、孝二たち同様に走り出した。
そして蟻の如く、他の人々も続いた。
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