第3罠

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「翔!!」 柳瀬直人は田宮翔から電話を受け、ある物を持って職員室前に来た。 「マジ入るん?」 「あぁ」 翔はどうしても職員室に入りたかった。そこで思いついたのが、直人のピッキングだ。 直人は針金2つでどんな鍵も開けてしまう、自称ピッキングの天才なのだ。 「つーか、体育館やべーな。1年がいたんだろ?」 「そうみたい。全部吹っ飛んじまったから生きてる奴はいねーだろうな」 直人は体育館には行っていない。だが、どの階でもパニック状態で、みんな騒然としているのだ。 無理もない。体育館が爆発したのだから。 そんな会話をしていると、第2の爆発音が響いた。 「また!?」 「あそこはプレハブ!?」 煙りが立ち上る様を窓から見た翔は瞬時に理解した。 「あの矢印か……」 そう。翔は矢印を追った人々がプレハブ小屋にたどり着き、殺されたのだと思ったのだ。 「怪しいと思ったんだよな」 「一体何がどうなってんだよ!!」 直人は矢印の事を知らない。知っていても理解出来るものでもないが。 何せ、突然爆発が起き、突然矢印が現れた。全てが、何の前触れもなく“突然”起こったのだから。
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