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「翔!!」
柳瀬直人は田宮翔から電話を受け、ある物を持って職員室前に来た。
「マジ入るん?」
「あぁ」
翔はどうしても職員室に入りたかった。そこで思いついたのが、直人のピッキングだ。
直人は針金2つでどんな鍵も開けてしまう、自称ピッキングの天才なのだ。
「つーか、体育館やべーな。1年がいたんだろ?」
「そうみたい。全部吹っ飛んじまったから生きてる奴はいねーだろうな」
直人は体育館には行っていない。だが、どの階でもパニック状態で、みんな騒然としているのだ。
無理もない。体育館が爆発したのだから。
そんな会話をしていると、第2の爆発音が響いた。
「また!?」
「あそこはプレハブ!?」
煙りが立ち上る様を窓から見た翔は瞬時に理解した。
「あの矢印か……」
そう。翔は矢印を追った人々がプレハブ小屋にたどり着き、殺されたのだと思ったのだ。
「怪しいと思ったんだよな」
「一体何がどうなってんだよ!!」
直人は矢印の事を知らない。知っていても理解出来るものでもないが。
何せ、突然爆発が起き、突然矢印が現れた。全てが、何の前触れもなく“突然”起こったのだから。
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