第3罠

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何かが教室に入って来た。 「何…この臭い」 佳奈は嫌な臭いに顔を歪ませた。 それは、見た目は手榴弾のようだが、何か気体を放っていた。 「毒ガスだー!!」 そう誰かが叫んだ。 それと同時に教室にいる人々は直ぐに廊下へと逃げ出した。 荒れ狂う様に廊下へと逃げる人々は、もはや凶悪犯面だった。 「仁美、私たちも早く…」 「行かない」 「はぁ!?」 佳奈は1分1秒でも早く教室から出たかったが、仁美は動こうとしなかった。 「私も悠太と一緒に死ぬ」 マジ!? 佳奈は焦っていた。 いくら変だと思っても仁美は友達だ。見捨てる訳にはいかない。かと言って自分だけ逃げる事も出来ない。 そう考えていると、急に教室の扉が閉まった。 「え!?え!!?」 更に焦る佳奈は扉を叩いた。 「悪く思うな!!閉めねーとガスが廊下に漏れんだよ!!」 と、クラスメイトの声が聞こえた。 「嘘でしょ!?」 佳奈はもう絶望していた。
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