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何かが教室に入って来た。
「何…この臭い」
佳奈は嫌な臭いに顔を歪ませた。
それは、見た目は手榴弾のようだが、何か気体を放っていた。
「毒ガスだー!!」
そう誰かが叫んだ。
それと同時に教室にいる人々は直ぐに廊下へと逃げ出した。
荒れ狂う様に廊下へと逃げる人々は、もはや凶悪犯面だった。
「仁美、私たちも早く…」
「行かない」
「はぁ!?」
佳奈は1分1秒でも早く教室から出たかったが、仁美は動こうとしなかった。
「私も悠太と一緒に死ぬ」
マジ!?
佳奈は焦っていた。
いくら変だと思っても仁美は友達だ。見捨てる訳にはいかない。かと言って自分だけ逃げる事も出来ない。
そう考えていると、急に教室の扉が閉まった。
「え!?え!!?」
更に焦る佳奈は扉を叩いた。
「悪く思うな!!閉めねーとガスが廊下に漏れんだよ!!」
と、クラスメイトの声が聞こえた。
「嘘でしょ!?」
佳奈はもう絶望していた。
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