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1年生の教室がある表校舎4階では、まさに修羅場と化していた。
手榴弾のような物が飛んで来たのは8組だけではなかった。全てのクラスに投げ入れられていたのだ。
3・4組も例外ではない。
そしてどのクラスも8組同様、教室にまだ人がいる事も無視し、扉を閉め押さえていた。
みんな自分が一番なのだ。
「……」
佳奈はもう喋る気力がなかった。
「もう少しでそっちに行くからね」
仁美は未だ悠太を思っていた。
「こんなんじゃ死なないと思うけど?」
そんな時、教室に取り残された仲間、木田隼人が口を開いた。
「…どう言う事?」
やっと佳奈も口を開いた。
「これは毒ガスじゃない。単なるガスだ」
「そう言えば、全然苦しくない」
「まぁ、火を点ければすぐ爆発するけど」
隼人は至って冷静に説明した。
「じゃあ火点けないでよ!?」
「なーんだ」
佳奈は必死だが、仁美は納得いかないようだった。
ん?でも何でこんなのが?しかも誰が? 爆発と関係あるのかな… でもガスだし……
と、佳奈は一人で考えていた。
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