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落ち着きを取り戻した柳瀬直人・田宮翔は、一先ず3階に向かった。
みんなにこの異常な現状を伝え、学校から避難させるためだ。
「…駄目だ」
階段を上がっている最中、翔は携帯電話で警察に電話をかけた。だが、一向に繋がる事はなかった。
「電波悪い?」
「いや、さっきお前にはすんなりかかった」
直人の言葉に、翔は即座に首を横に振った。
そして3階に着き、2人はまた硬直した。
「…どうなってんだ…」
「……みんな…」
廊下一面に広がる同級生の死体を見て、もう何も考える事が出来なかった。
だが、更なる恐怖が待ち受けていた。
「あ、あれ!!」
直人が発見したのは、死体の中に不気味に立たずむ理沙の姿だった。
そして、理沙も2人に気付いた。立ちすくみ、こちらを凝視している。
「何かおかしくね?」
「あぁ」
今度は翔も即座に首を縦に振った。
その瞬間、理沙が走り迫って来た。
「死ねー!!」
理沙はそう絶叫している。
「やべー!!」
「逃げるぞ!!」
2人は恐怖で逃げ出した。
理沙が直人と翔を追い掛けて行った後、岡田奈々もそれに続いた。
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