第5罠

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落ち着きを取り戻した柳瀬直人・田宮翔は、一先ず3階に向かった。 みんなにこの異常な現状を伝え、学校から避難させるためだ。 「…駄目だ」 階段を上がっている最中、翔は携帯電話で警察に電話をかけた。だが、一向に繋がる事はなかった。 「電波悪い?」 「いや、さっきお前にはすんなりかかった」 直人の言葉に、翔は即座に首を横に振った。 そして3階に着き、2人はまた硬直した。 「…どうなってんだ…」 「……みんな…」 廊下一面に広がる同級生の死体を見て、もう何も考える事が出来なかった。 だが、更なる恐怖が待ち受けていた。 「あ、あれ!!」 直人が発見したのは、死体の中に不気味に立たずむ理沙の姿だった。 そして、理沙も2人に気付いた。立ちすくみ、こちらを凝視している。 「何かおかしくね?」 「あぁ」 今度は翔も即座に首を縦に振った。 その瞬間、理沙が走り迫って来た。 「死ねー!!」 理沙はそう絶叫している。 「やべー!!」 「逃げるぞ!!」 2人は恐怖で逃げ出した。 理沙が直人と翔を追い掛けて行った後、岡田奈々もそれに続いた。
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