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高田美砂が玄関で途方に暮れていると、杉山佳奈・遠藤仁美・木田隼人・山城賢が来た。
佳奈たちは美砂に見向きもしないで玄関の扉に手をかけた。
「無駄」
それを見た美砂は、サラっと言い放った。
「……」
それでも隼人は扉を開けてみたが、やはり開く事はなかった。
「何で!?」
佳奈は絶望感で一杯だった。
「玄関も窓も開かない。うちらここに閉じ込められたんじゃねーの」
美砂はもう開き直っていた。何をしたってどうにもならない事がわかったからだ。
「もう嫌だ!!」
「うるせーよ!!」
佳奈の歎きに、美砂は睨みながらそう言った。
「マジ最悪……」
賢はそう言ってため息をついた。
「やっぱ、みんな死ぬんだよ」
そんな時、仁美が呟いた。
「大袈裟なんだよ」
それでも美砂は面倒そうだった。
「そうでもないと思う」
「あぁ?」
隼人の反発に、美砂は眉を寄せた。
「下手してたら1年はみんな死んでたかもしれない」
あの時全員が廊下に出ていたら生存者はいなかっただろう。
「意味わかんねー」
だが、ずっと1階にいた美砂は上の階で起きた悲劇を知らなかった。
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