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裏校舎3階に逃げた隼人と賢は、理科室に隠れていた。
「杉山と遠藤は大丈夫かな…」
2人がいない事に気付いたのは、3階に上がって来た時だった。
賢はいなくなった2人を心配していた。
「一回殺しかけたのは誰だったか?」
隼人は、ガスが投げ込まれた時の事を思い出していた。あの時、扉を押さえていたのは言うまでもなく賢だった。
「だから、あれはしょうがなかったんだって!!」
「ふーん」
そんな賢の言葉にも、隼人は敢えて素っ気なく返した。
そんな会話をしていると、賢はある物を発見した。
「あれ、良い武器があんじゃん!!」
理科室の一つの机の上に、包丁があったのだ。
「ご信用に持っとこうぜ」
賢はそれを取りに行こうとした。
「待て!!」
だが、それを隼人が止めた。
「何でだよ」
「変じゃないか?」
「何が?」
「何で理科室に包丁があるんだ?それも、あんな目立つ所に」
それを指摘され、賢ははっとした。
「誰かが起き忘れたとか?」
「ない」
隼人は、はっきりそう言い放った。
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