第二章

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台所に行った僕に、母ちゃんは優しく、でも厳しい言った。 「僕も小学校三年生だよ、動物の世話なら出来るよ。それに僕は外で一匹…ううん、独りで震えていたあいつをまた外に出すなんて出来ないよ」 「分かったわ…ちゃんと面倒を見るのよ。そこに牛乳ついでおいたから飲ませてあげなさい」 母ちゃんは笑ってテーブルを指差した。 「母ちゃんが一番飼う気満々なんじゃない?」 僕は嬉しくなって笑うと 「ありがとう」 と言って猫がいる茶の間へと戻っていった。猫は薄目を開けながら、毛布にくるまれてそこに留まっていた。
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