第一章

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そして今ボクがいる河原を流れているのが馬見ヶ崎川(まみがさきがわ)。山形県で一番大きな川、最上川にそそぐ川だ。 そんな馬見ヶ崎の河原をボクは休む事無く歩いていた。足には疲れが溜まり、喉は乾いてきたがボクはそんな事は関係ないとばかりに休む事無く歩き続けていった。そして東から登った太陽が南を通って西に沈む頃、限界を感じたボクは地面へと無様に倒れ込んだ。 「何だと思ったら、お前猫か」 一人の男の子がボクの首を掴んで自分の顔の高さまで持ってきた。 「捨て猫だべか?僕んちに行こう。体も洗わなくちゃいけないし何か食わないと死んじゃうからね」 男の子はボクににっこりと微笑んだ。男の子の笑顔には、母親に抱かれているような優しい気持ちが現れていた。ボクは安心してその目を閉じた。 秋の夕陽が眩しかったあの日、ボクと僕は出会った。
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