のら猫

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よう、久し振りだな! え、 新入りだって? ケっ、どうりで見ねぇ顔だと思ったぜ。 まぁいいや。ところで、おめぇは何処らへんを縄張りにしてるんだ? なに、まだ決まってないのか。 なら特別にオレ様の縄張りを見せてやる。今回だけだぞ。ついてきな。 いやぁしかし今日も熱い。新入りは熱さに強そうだな。まったく羨ましいぜ。 おっと、ここはオレ様のお気に入りの場所さ。日陰になってるし、風通しも最高だ。羨ましいだろ。よし、次行くぞ。 あそこに見えるのが、鈴木のばあちゃんの家だ。腹が減ったらあそこに行くと、腹一杯に飯が食えるぞ。ただし昼間だけだ。 んで、あそこに見えるのが……なんだありゃ。て、おい! ありゃ同盟組んでるヤスじゃないか。なんで瀕死で倒れているんだ! おい、ヤス! 誰にやられたんだ。 なにっ。隣町のやつらが攻め込んで来ただと! くそっ。おいっ、ヤス! 目を開けろ。死ぬんじゃねぇ! ヤス! …………ヤス…… …… ………… ヤスは一番のダチだったんだ。ガキの頃は随分とわりぃ事もした。もちろん一緒にな。ずっと、ずっと、一緒だったんだ。 くそ、くそっ、くそ! くそったれっ! おい、新入り。 おめぇは帰りな。え、オレか? 今から弔い合戦だ。 もし万が一にでも、オレ様の身になにかあったら、この縄張りはおめぇにくれてやる。 じゃあな。 て、なんでついてくるんだ? なに、一緒に戦うだって? おめぇ……馬鹿だろ。 ケっ、まあいいや。死んでもしらねぇぞ。 まぁ……ありがとよ。 え、聞こえなかっただ? もう一度言えだと? うるせぇ、うるせぇ! なにも言ってねぇよ、バカヤロぉ。
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